Space & Art / 空間とアート
VOLUME 01 / PART IV / CHAPTER 48

なぜガンドの学校群は、土と屋根の関係を建物ごとに試したか

2001年の小学校、後年の増築、2011年建設中の図書室、2013年建設中の中等学校を同一の完成校舎と混同しない。土と屋根、日陰と学ぶ場所の関係が、建物の段階ごとにどう変わるかを読む。

ブルキナファソ・ガンド、2001年の小学校と2009–2013年の増築・別棟実物・記録を見比べる出典 7 件
ガンド小学校・外観Ⅰ
Schulbausteine · 小学校2001年完成/写真: Commons登録2002年、Exif 2008年(実撮影年未確定) · CC BY-SA 3.0 図版情報
Schulbausteine · 元資料
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遠景より屋根と壁の隙間を見る

Francis Kéréの設計記録は、日差しを受ける金属屋根を教室の天井から持ち上げ、間に空気の通り道を作ったと説明する。地域にある土にセメントを混ぜた煉瓦を使い、雨を避ける軒を大きく出した。二枚の外観写真では屋根の厚み、壁の開口、教室前の影を比べる。第一の写真と第二の写真が同じ時期・同じ側面かどうかをキャプションで確認し、視点の違いを「改修」と読み違えない。外壁が土色だから「伝統建築」だと一語で言わず、材料を改良し、金属と組み合わせた具体的な工法として読む。[1][2]

教室の写真を入手できない場合でも、外から見える窓の位置、屋根の持上げ方、軒の深さを断面の説明と照合できる。設計者による換気の説明は、写真に見える形を気流へ結びつける仮説だ。仮に同じ日に室内と外の温度を測った記録があっても、季節や人数が違えば年間を通じた性能は断定できない。学校の利用者にとっては、風だけでなく黒板の見え方や雨の日の音も重要となる。美しい外観を教室の総合的な質と混同しない。[1][2]

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二枚で同じ屋根の異なる縁を見る

Gando小学校の二枚は同じ施設の外側を写す。土セメントの壁の上に金属屋根が離れてかかり、深い軒の陰が窓や廊下付近に落ちる。離れた屋根と壁の間を図上で示せば、設計者が日射と空気の抜け方を問題にしたことへつながる。しかし写真だけで空気が常に同じ方向へ流れると決められない。風向、外気温、人数、開口の操作は撮影時点の画像に記録されていない。構造と温熱効果の間に測定という証拠を挟む。[1][2]

同一対象ガンド小学校・外観Ⅱ小学校2001年完成/写真: 2005年同じ学校の別視点。軒の日陰と開口の位置を読む。Helge Fahrnberger / www.helge.at · CC BY-SA 3.0 · 元資料[4]

後年の増築写真を最初の小学校と明確に分ける。同じGandoの校地であっても、予算と人数が変われば屋根のスパンや室の数も変わる。二つの建設段階を同じ建物の表裏と呼べない。増築を対照に使うなら、元校舎の屋根の離れ、外壁の開口、軒下の歩く場所がどう繰り返され、どう変わったかを観察し、理由は設計者資料で裏づける。[1][2]

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教育と共同施工の条件

設計者側は、この学校がブルキナファソ東部の不足していた教育施設を増やすために建てられ、依頼者をGandoのコミュニティとKéré Foundationと記録する。Aga Khan Awardも地域の人々が建設に関わった点を強調する。共同施工を美談にする前に、誰がどの工程を有償・無償で担い、どんな技術が残ったかを調べる必要がある。設計者の創意と地域の技能は別々の貢献で、どちらか一方だけを作品の作者として示さない。教室を利用する子どもや教員にとっての光と通風を問うことが、建築を単なる材料実験から教育の施設として読む入口となる。[1][2]

屋根の仕組みを模型図にして説明したくなるが、気流の矢印には原典に基づく入口と出口だけを記し、矢印の太さを温度差の測定に見せない。写真に写る隙間を構造の全断面だとせず、設計者の断面へのリンクを添える。[1][2]

Kéré Architectureは完成年2001年、面積520平方メートル、依頼者をGandoのコミュニティとKéré Foundationと記す。学校数の不足に対し採光と換気を改善することが課題だった。写真に見える土セメント煉瓦は地域で得られる粘土を使い、雨から守るため軒が必要だという設計者の説明へ結びつく。単に「伝統素材を使った」とするより、材料が湿気と日射に対してどのような条件を持つかを読む。[1][2]

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地域施工を造形の出典に戻す

Kéré ArchitectureとAga Khan Awardの記録は、地域の人々が材料づくりや施工に関わったことを説明する。土を使った外観を「素朴」と呼ぶと、強度、維持、予算、熟練の判断が消える。掲載図に施工工程は写らない。施工参加の事実はAga Khan Awardの記録に依拠すると明示する。教室を使う子どもや教員の評価を設計者の説明で代弁せず、教育の運営と温熱の実測を次の調査として残す。[1][2]

同一対象学校複合の図書室・建設中図書室建設中/写真: 2011年8月10日2011年、ガンド小学校複合に増えた図書室の内部。天井の円形開口から光が入るが、2001年の原校舎の教室ではない。GandoIT · CC BY-SA 3.0 · 元資料[6]

第四図の図書室は2011年に建設中の別棟で、天井の円形開口と室内の光を示す。原校舎の教室を写す資料にはせず、屋根を別の方法で考えた後年の例として読む。[1][2]

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外観で読める二重屋根と、図面で初めて確かめる通風

写真から見えるのは、土系の壁の上に持ち上がった屋根、軒が落とす影、開口と壁の位置である。二重屋根が日射を受け止め、間の空気が熱を逃がすという設計説明はKéré Architectureの一次資料に依拠する。外観二枚だけで教室内の気流方向を矢印で確定してはいけない。風向、季節、開口の使用、室内の人数により実際の換気は変わる。掲載図から演習できるのは屋根と壁の離れ、影、開口の位置であり、空気の流れは設計者の説明に基づく仮説に留める。[1][2]

Kéréの説明では、波形金属屋根を教室の天井から離し、その間に空気を通す。土の天井にあけた孔から熱い空気を逃がし、室内窓から冷気を引く構想である。これは設計者の機構説明で、掲載した外観写真から孔の位置と気流の実測を完全に確認できるわけではない。教材の図には矢印を仮説として描き、実際の温熱性能を断定する場合は現地の測定記録を要すると注記する。[1][2]

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屋根の形を別の場所の処方にしない

別の学校に持ち上がった屋根を載せても、同じ効果になるとは限らない。日差しの強さ、雨、風、部材供給、修理できる技能、授業の人数が違うからである。この章では写真に写る壁、開口、軒影を具体的に読み、そこから設計者が解こうとした問題を一次記録で確認する。気流の効果は断面と測定、地域の参加は建設の記録、学習への影響は教員と生徒の経験へ、それぞれ証拠の道を分ける。[1][2]

別個体・対照ガンド小学校の後年の増築小学校増築(完成年未確認)/写真: 2009年2009年撮影の校舎増築。2001年完成の最初の小学校とは別の建設段階。土と屋根の扱いを対照するが、同一教室の別角度ではない。GandoIT · CC BY-SA 3.0 · 元資料[5]
別個体・対照中等学校・建設中中等学校建設中/写真: 2013年1月14日2013年、同じガンドの別の中等学校の工事現場。土の壁と屋根・中庭の作り方を完成した小学校と比較するが、同じ建物ではない。GandoIT · CC BY-SA 3.0 · 元資料[7]

元校舎と増築は同じ校地の別の建設段階である。写真を並べる時は、一方を「改善後」と決めつけず、完成年、教室数、利用する人の増加といった条件を確認する。主図の元校舎から軒・壁・開口を読み、増築写真では繰り返す要素と変えた要素を見つける。変化の評価は現場の利用記録に譲る。[1][2]

2013年の第五図は中等学校の工事段階である。小学校の2001年完成写真と同じ工程の途中として混ぜず、壁と屋根の配置を学校群の別の実験として比較する。[1][2]

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別の学校へ形をコピーしない

Gandoの答えは、その土地で調達できる土、雨への対処、資金、子どもの教育機会と施工に関わる人々の条件を重ねたものだ。別地域の学校に大きな屋根だけを移しても、同じ働きとは限らない。1900年代初頭の米国の屋外教室と対照するなら、空気・病気・教育をめぐる別の時代の議論として置き、直接の系譜を捏造しない。写真が見せる美しい屋根線を評価する時こそ、学校がどの生活条件へ答えたかを忘れない。実際の教育成果は建築の写真ではなく、学校側の継続的な記録から検討する。[1][2]

Gando小学校の建築説明を授業を受ける子どもの側へ戻すため、写真に人がいない時間と人が使う時間を分ける。通風が働くかどうかは風向、窓の開閉、人数、季節で変わり、屋根の隙間が写っているだけでは実測できない。赤土を使った壁の美しさと、雨や摩耗に対する維持の手間も別々に評価する。設計者と賞の資料は建設時の意図と評価を伝えるが、学校の運営や卒業後の学習成果を直接示さない。外観と教室内の画像密度が偏る場合、その偏りを記し、目に入る屋根を施設の全価値の代役にしない。[1][2]

Aga Khan Awardの評価と建設参加の記録は、教室の造形だけでは見えない協働の証拠である。写真に生徒が少ない、あるいは写らないから、教育の需要がなかったとは言えない。地域の人が煉瓦を作り維持できるという設計目標は、修理可能性にも関わる。しかし何年後に何回補修されたかは別の保全記録が必要だ。[1][2]

READING PRACTICE

一枚に戻って考える

2001年小学校外観、後年の増築、2011年図書室内観、2013年中等学校工事を建物・時点別に分け、各図で確かめられる土・屋根・光の要素を記せ。原校舎の通風経路を証明するには何が要るか。

照合の手がかり

原小学校の軒と壁、図書室の円形採光、中等学校の工事中の壁と屋根は別建物の視覚証拠。原校舎の通風経路には断面・開口配置・現地測定が要る。

言える範囲

5図のうち原小学校は外観二点、2009年増築一点、2011年図書室内観一点、2013年中等学校工事一点。原小学校の授業中の教室と屋根断面は未掲載。図書室・中等学校を原校舎の内外として扱わない。風速・室温・学習成果は実測資料なしに論じない。

SOURCE REGISTER

出典・図版

  1. [1] Kéré Architecture, Gando Primary School
    https://www.kerearchitecture.com/work/building/gando-primary-school-3
  2. [2] Aga Khan Award, Primary School Gando
    https://the.akdn/en/how-we-work/our-agencies/aga-khan-trust-culture/akaa/gando/primary-school
  3. [3] Schulbausteine
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Primary_School_Gando.jpg
  4. [4] Helge Fahrnberger / www.helge.at
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gando-School-Burkina-Faso.JPG
  5. [5] GandoIT
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kere_primary_school_extension_gando.jpg
  6. [6] GandoIT
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kere_library_gando.jpg
  7. [7] GandoIT
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kere_Secondary_school_Gando.JPG